多和 英子 ー ふたつの呼吸

この空間では4回目となる個展だが、毎回自省的なタイトル、コメントをつけており、今回のテーマは「呼」と「吸」息を吐くことと、吸うこと。

常に全力投球、計画的に作業を進め、搬入時には作品が完全に自身から離れて自立した状態で持ってくる多和だが、今回は珍しく、不安や迷いが残っている状態だった。
勿論、作家は作品を設置終わるまで「完成」とは思わず、その場で試行錯誤するのだが、今回の多和は少し異っていた。

前回から継続している安定した作品「ふたつの呼吸A」と「B」の他に新たな挑戦と思わせる「単純な複合呼吸」と題した作品を手前に設置した。

この新しい試みはある種「未完」かもしれないが、肩の力を抜いたというか、硬い殻を割った、というべきか観る者を誘い込むような魅力があったと思う。

次を見たい欲望を抱かせる展示だった。 

T/A

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