鈴木 貴雄 ー 魔が差すー

 石彫の鈴木貴雄の初個展、「魔が差す」。
画廊に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、巨大な鳥の羽のような黒御影である。白地の木製台座に設置してあり、きっちり彫り込んであるように見えるが、近づくとかなり思考錯誤の跡が残っている。 裏側に回り込んでみると、表とは異なり、御影石を磨きこんで黒光りした、夜景が拡がっている。

具象と抽象の間、物語性のある作品で、かなり技術的にも力量が感じられるが、敢えて技を見せないようなところがある。

奥には、地球儀を思わせる形態の抽象的な作品を設置した。

全体としてのイメージは飛翔、未知なるものへの挑戦ともいえるが、作家本人の実生活での新たな旅立ちをも想像させ、今後の活動を期待したい。

T/A

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