安部 光成 ー水面に素描をするように

石彫家、安部光成の作品は、巨大な石(黒御影)をほぼ等分に36個に切り分け、昔ながらの手掘りで、表面にドローイングをしている。 カレンダーのように、その日その日の思考と感情が混り合った手の動きが見えてくる。静かな佇まいを見せているようだが、見る角度によっては、激しい感情の迸り、寂寥感、恐怖などが見え隠れする。 石という硬質な物体を、非常に滑らかな流体を思わせる表面に変化させる確かな技の持ち主でもある。
又、観る者の心理状態によって、如何様にも受け取れる寛容さがあり、この作家の感覚の鋭さや優しさを感じさせられる作品になっている。

T/A

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