「short」、「P.I.C.K.U.P」 展

 2012年4月の若い作家7名によるグループ展について、その経緯を記してみたい。

秋山画廊で、近年初めての個展を開いた作家達。それぞれが所謂、流行や状況に流されず、各人のアートに対する想いを模索しつつ、真剣に取り組んでいる姿勢に共感し、彼らの話を聞いているうちに、お互いに面識がなかったり、よく話をしたことがなかったりするので、相互にもっと知り合うためには、展覧会という形が一番適しているのではないかと思い至った。

7名の作家をふたつのグループに分け、各グループに自由に画廊空間を使って表現してほしかった。ある種、化学反応を期待してのことである。 グループ分けには、組み合わせに随分時間をかけた。
仲良しグループにならないよう、異なった性格、異なった思考、同じ方向性、リーダー格の有無等など。

その結果、「short」は今井大介(彫刻)、鈴木繭子(彫刻)氷室幸子(彫刻)、武政朋子(絵画)の4作家。
4等分した空間にそれぞれの作品が邪魔をせず、うまく融合して展示された。

一方、「P・I・C・U・P」は、大野綾子(彫刻)、戸谷森(絵画)、深代満久(彫刻)の3作家。
こちらは、グループ展の意味から考え、一人ではできないことをしよう、ということに。 画廊空間を作家のアトリエと捉え、3人が同時に作品を創り、お互いに影響し合って展示をする、又、所謂、アドリブで作品を創る、完成させないで、制作過程を展示する、等、画期的な展示となった。一晩3人が画廊に泊まり込んでの、制作だったこともあり、臨場感溢れる現場となった。

私としては、展示そのものの良し悪しはともかく、作家同士が相互理解を深めることにより、それまで一人で考えていた時とは異なった側面でアートを見ることができれば、孤立に陥りやすい若い作家にとって、プラスになるのではないかと思っていたので、その手ごたえが少し感じられたと思う。

T/A

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