村岡三郎について

村岡三郎(1928年生)は、少年時代から宇宙、天体に興味を持っていたと聞く。’50年代から’60年代にかけての「具体」、「ネオダダ」などのグループには属せず、個人として制作し、初期の頃から気体、重力、熱など目に見えないものを可視化した作品や、鉄に硫黄、塩などで化学変化させた作品を発表してきたが、常に「物質とは何か」、「個とは何か」を問い続けてきた。究極の問いは、「感情や精神は物質か」。精神的エネルギーも物質的エネルギーもその根源に於いて同一のものに由来する、と考えているようだ。

精神と物質の等価性、生と死の等価性。   村岡はこのことを、あらゆる機会に、あらゆる方法で思考し、作品化している。科学的にも徐々に解明されてきているが、学問として、言葉で説明するのではなく、美術として表現しようとしている。作品の中には、鉄やガラスなど物質を溶断したものも多いが、溶断という行為は、物質を通して表現したことを「切る」わけで、そこで村岡のある種マゾヒステイツクな決断が、下されているのではないか、と思われるのだが・・・・。

秋山田津子

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