展覧会

遠藤利克展 -空洞説Ⅱ-

ENDO Toshikatsu

2005年4月1日(金)~4月27日(金)

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秋山画廊 - アクセスマップ

遠藤利克(1950年生)にとって、水と火は、初期の頃から継続的に用いている基本的な素材である。先行する世代“もの派”は、物質の持つ意味を払拭して“もの”として提示していたが、遠藤は、人間が言語を獲得した原初に立って世界を分節しようとした時に、物質がその意味を完全に持たない状態はあり得ないのではないか、という立場をとる。

‘70年代から、水は、その意味を変化させながら、常に遠藤の作品に登場してくる。-大別すれば、水は生命・エロス、火は破壊・死の象徴として。-     又、遠藤は作品制作に当たり、各時代に対する自身の感応に基づいて、一連の仮説を構築してきた。 寓話シリーズ、円環シリーズ、近年はTrieb-欲動―、そして空洞説シリーズ。

基本的に、作家が作品を創るということは、世界、宇宙を自らの手で分節化する行為だと思われるが、遠藤は、その中心に振動・エネルギー・そして発光に満ちた宇宙真空をイメージする。

現在は、量子物理学など科学の分野でも、宇宙の解明が進み、物質のみならず、人間の意識に関しても宇宙空間に於いて、相互関係を持つと考えられている。

遠藤が宇宙にこだわるのは、方向の定まらない、変化の激しい現代に生きる者にとって、思想の歴史の中でも、繰り返し現れている、人間存在の意味を問う宇宙の概念によって、自分自身と世界を把握し直す必要に迫られている、と考えるからではないだろうか。

従って、提示された作品は所謂“美術”というよりは、遠藤が構築した思想を伝えるための装置ともいえるだろう。

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