豊嶋 康子作品展

昨年(2013年)11月に個展をした豊嶋康子の初期から最近作までの代表作を展示。豊嶋は、既に中堅作家として活躍しているが、’90年代(学生時代)からの作品を一堂に展示するのは珍しい。
一貫して、コンセプチュアルアートの領域で制作しているが、観念的であり過ぎないところが何と言っても魅力的だ。一見、シミュレーションのように見えるが、一つ一つローテクの手創りになっているので、製品、工芸品には成りようがない。

例えば初期の代表作「エンドレス算盤」も巨大な(180M)五珠だが、珠自体はトモエ算盤に特注し、ひたすら自らの手で糸を通したし、枠もベニヤ板と鋸と釘で手創りしているのだ。 このように、作家個人の手作業で創り出された作品は、社会や制度に抵抗する作品であっても、声高に抗議するというよりは、ユーモラスで、思わずクスッと笑ってしまうようなところが、豊嶋の特徴ではないだろうか。

豊嶋は作品のテーマが決まると、とことんそれについて調査し、徹底的に「それ」を体験する。何と言っても「しつこさ」と「身体性」が、豊嶋の制作態度である。「それ」は制度であったり、社会や組織だったりする。
株式投資、銀行口座の開設、等の作品化にしても、自身で株を買い、投資することを、今でも継続させていることからも、そのしつこさが、想像できる。

このように、豊嶋作品は「次は何が出てくるか?」の興味が尽きない。今後の活動を応援したい。

T/A

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